朝に舞う夢は。 ワンダフルデイズ (第177〜189話 ED)

夢占い 夢ココロ占い

朝に舞う夢は

【夢占い】美しい蝶が家に入って来る夢 見た目のとても美しい蝶がふわりと家の中に舞いこんで来たなら、夢占いでは思っても見なかったような幸運に恵まれる事を意味しています。 また結婚や妊娠などを表すサインでもあります。 【夢占い】蝶が家の仏壇へ向かう夢 家の中とは言っても、入っていった先が仏壇である場合は注意が必要です。 蝶が仏壇に入るのは災難や死を予兆する場合がありますので、異常や違和感などを感じる場所には近付かず、体調に異変があればお医者様に相談するなどして下さい。 【夢占い】家から蝶が出て行く夢 家の中から蝶が出て行ってしまう場合、家庭内の不運を暗示する夢占いとなります。 【夢占い】蝶が死ぬ、逃げる夢 蝶が貴方の目の前で死んだり、貴方の傍から逃げてしまったなら、運気が低下している事を意味する夢占いとなります。 目の前に巡ってきた好機を上手く活かす事が出来ず、見逃してしまう事になるかもしれません。 好機を活かせなかった事で周囲から非難を浴びる可能性もありますので、行動には注意が必要です。 【夢占い】蝶を殺す夢 何らかの理由で貴方が蝶を殺していた場合、思うような成長が出来ない自分に対する苛立ちや、周囲の人との対人関係、恋愛関係などに強い怒りやストレスを感じている事を意味する夢占いとなります。 しかし夢の中で蝶を殺すという行為により、そうしたストレスや怒りが発散され、今後は運気が上昇する事を暗示する夢占いとなります。 【夢占い】蝶を食べる夢 現実ではまず食材にはならない蝶ですが、そんな蝶をどうにかして食べていた場合、夢占いでは目の前にある問題やトラブルをどうにかして解決しようとしている事を意味します。 その前向きさが運気を開いてくれるでしょう。 【夢占い】蝶に攻撃される夢 何か貴方が気に障る事をしてしまったのか蝶から攻撃を受けていたのなら、夢占いでは恋愛運が低下している事を意味しています。 恋愛関係で何らかのトラブルに巻き込まれる可能性が高くなっていますので注意が必要です。 攻撃している蝶は夢占いでは女性を暗示している場合が多いので、貴方が女性であるならライバルが出現するかもしれません。 貴方が男性の場合は両手に花の展開となるかもしれませんが、不誠実なお付き合いをしているとどちらからも捨てられる事になりますのでくれぐれもご用心を。 【夢占い】蝶に追いかけられる夢 何らかの理由で蝶に追いかけられていた場合、運気の低下を意味する夢占いとなります。 身近な人に不幸があったり、体調不良や事故などに注意が必要です。 【夢占い】蝶が付きまとう、身体に止まる夢 蝶に付き纏われたり、身体に蝶が止まる場合、体調不良や健康面で不安がある事を意味する夢占いとなります。 何らかの自覚症状などがある場合は、早めにお医者様に診て頂いた方が良いでしょう。 【夢占い】美しい蝶が大空を舞う夢 夢で見た蝶はどのように空を舞っていたでしょうか。 美しい蝶が大空を華麗に舞っていたなら、夢占いでは貴方が大きく成長を遂げる事を意味します。 今が貴方の成長にとっての正念場ですので、全力を尽くしなさいと夢占いは教えてくれています。 【夢占い】不安定な飛び方をする夢 蝶の飛び方が不安定で危なげな場合、トラブルや問題に巻き込まれる可能性が高くなっている事を意味する夢占いとなりますので注意が必要です。 【夢占い】たくさんの蝶が舞う夢 数多くの蝶が空を舞っていたなら、貴方の人生にはこの先も多くの転機が訪れる事を夢占いは表しています。 しかしその転機の数だけ多くの人と触れ合う事で、退屈とは無縁の実り豊かな人生を送る事が出来るでしょう。 しかし数え切れないくらい恐ろしい数の蝶が飛び回っていたなら、運気が混迷し過ぎて好転しない、成果が出ない事を暗示する夢占いとなります。 何らかのトラブルに巻き込まれる可能性も高くなっていますので注意が必要です。 過ぎたるはなお及ばざるが如し、ですね。 【夢占い】二匹の蝶の夢 同時に存在する二匹の蝶は、お付き合いをしているパートナーとの相性を表す夢占いとなります。 二匹の蝶が仲良く連れ添うように楽しげな様子で空を飛んでいたなら、パートナーとの相性が良く関係も良好である事を意味しています。 しかし二匹の飛ぶ距離が離れていたり、飛び方が何やら不安定だった場合は、あまり良い相性とは言えない事を夢占いは示しています。 最終的には上手く行かず、今のパートナーとは別れる事になるかもしれません。 【夢占い】自分が蝶になる夢 人が蝶になるなんて如何にも夢ならではのファンタジーですよね。 自分自身が蝶になっていたなら、夢占いでは貴方が大きな人生の転機を迎えている事を表しています。 結婚、就職、転職などの前向きな事だけではなく、離婚、死別、失職などの凶兆も共に表す夢占いですので、どういう結果になるかは今後のあなたの生き方次第と言って良いでしょう。 貴方の決断と選択が全てを決める事をお忘れなく。 また或いは苦しい現実に耐えかねて、逃げ出してしまいたいという思いが夢占いに表れたとも言えそうです。 しかし自分自身で現実に向き合うしか解決の糸口はありません。 辛く苦しいのは誰も同じです。 【夢占い】身体に蝶の羽が生える夢 身体は人間のままだけど蝶の羽が生えていたなら、貴方の魅力が高まっている事を意味する夢占いとなります。 その羽で自由に空を飛べていたなら、更なる飛躍が期待出来るでしょう。 しかし折角生えた羽を活かせず上手く飛べないようなら、魅力を高めたいと思いつつも上手く表現出来ていなかったり、思うようには結果に繋がらない事を意味する夢占いとなります。 【夢占い】蝶を捕まえる夢 虫捕りの網かそっと手などで蝶を捕まえる事が出来ていたなら、今までコツコツと積み重ねて来た努力が報われ成果を得る事が出来るという夢占いになります。 運気も上昇傾向ですので、積極的に行動する事で更に運気を広げる事が出来ると夢占いは示しています。 【夢占い】蝶が羽化する夢 さなぎから蝶が羽化する様子が印象的だった場合、夢占いでは貴方が人生の大きな転機を迎えている事を意味します。 これまで積み上げてきた努力が報われ、成果を手にする事を暗示しています。 周囲を取り巻く環境や貴方自身の立場にも変化があるかもしれませんが、大きくステップアップする機会と言えるでしょう。 【夢占い】赤い色の蝶の夢 情熱的な赤い色をした蝶が印象的だった場合、今の貴方の生命力や気力が高まっている事を夢占いは示しています。 情熱的な恋をしたり、溢れるやる気を武器に仕事や勉強に取り組める事を表しています。 【夢占い】紫色の蝶の夢 紫色をした蝶が印象的だった場合、夢占いでは貴方が少女から大人の女性へと変わりつつある事を意味します。 可愛らしさから成熟した大人の色香をまとい始めたと言えるでしょう。 【夢占い】青い色の蝶の夢 自然界では比較的珍しい青い色をした蝶が印象的だった場合、思いがけない幸運に恵まれる事を意味する夢占いとなります。 その幸運に甘える事無く、謙虚な気持ちを忘れない事で良い運気をより長く保たせる事が出来るでしょう。 【夢占い】オレンジ色の蝶の夢 オレンジ色をした蝶が印象的だった場合、夢占いでは対人運が好調である事を意味しています。 明るく社交的な気性を活用して周囲の人との関係を良好に保ったり、みんなで力を合わせて目標や夢を叶えられる事を表しています。 【夢占い】黄色の蝶の夢 黄色の蝶が印象的だった場合、運気が上昇している事を意味する夢占いとなります。 これまで培った知恵や創造力を駆使する事で、幸運を手にする事が出来るでしょう。 【夢占い】金色の蝶の夢 神秘的な金色の蝶が印象的だった場合、今の貴方が自信に満ちており、積極的に物事に取り組む事で社会的な地位や名誉と言ったものを手にする事を夢占いは示しています。 【夢占い】白い色の蝶の夢 白い蝶が印象的だった場合、運気が上昇している事を意味する夢占いとなります。 願い事が叶ったり、これまで難航していた事も思うように進むようになるなど幸運に恵まれる事を表しています。 積極的に行動する事で更に運気が開けるでしょう。 【夢占い】黒い色の蝶の夢 黒い色をした蝶が印象的だった場合、夢占いでは運気の低下を暗示しています。 貴方を含めた身内が思いがけない悲報や不幸、体調不良などに見舞われる可能性が高くなっている事を表しています。 困難の暗示ですが、同時にそうした辛い事も最終的には貴方が乗り越えられる事を表す夢占いでもあります。 挫けずに前向きな気持ちを心掛けて下さいね。 【夢占い】蝶々結びの夢 結び易くてほどけ易い蝶々結びが印象的であった場合、貴方と他の誰かの関係性がとてもフリーダムである事を表す夢占いとなります。 必要な時には一緒に行動し、そうでなければ特に連絡を取り合う事も無いような淡白な関係性と言えます。

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【夢占い】蝶の夢に関する26の意味とは

朝に舞う夢は

月明かりの 下 ( もと )、桜の中を少女が舞っている。 ひらひらと白い袖がひるがえる。 この国に住まう者ならば、子供でも歌える数え歌だ。 木々の間を遊ぶ蝶のように、くるくると戯れながら、山の中を進んでいく。 少女が眼差しをあげる。 山を覆いつくす桜雲の、その頂に鎮座する城を見上げた。 国の西を治める 神宮 ( かみや )家の居城、 桜花城 ( おうかじょう )だ。 ふと、その足が止まった。 唇を開いたまま、歌声も止まる。 かざしていた袖が、春の夜風に揺れた。 少女の瞳は、木々の群れの中、ひとつの巨木の根元をとらえていた。 桜の花びらは藍色の夜をやわらかく染めて零れ落ち、地に降り積もっている。 その桜の敷物の上に座り込み、華奢な体を幹にもたせかけて、誰かが眠っている。 白い衣が夜の藍に浮かぶようだった。 いつからそうしていたのか、結いあげた長い黒髪に、肩に、投げ出した膝の上に、淡い花びらを積もらせている。 仄かな花明かりの下、降り注ぐ 飛花 ( ひか )に埋もれて、まるで幻のようだった。 瞼をおろして身動きもしない。 まさに、月の下、 神の御坐の花 ( さくら )舞う夜。 頼りにできるのが月明かりだけでも、そこに座るの人の、うつむいた横顔は美しかった。 少年か少女かも分からない。 花衣をまとった美しい人のいる光景そのものが、まるで歌の中のことのようだった。 これはうつつではないのだろうか。 夢の中にまぎれこんだのだろうか。 きれい。 少女は惑い、ひとつ大きく息をつく。 眠っていると思った。 でも、身じろぎ一つしないその人は、本当に眠っているのだろうか。 血の気のない白い頬が、かける言葉をためらわせる。 迷って、だけど放っておけなくて、少女は唇を開いた。 「どうしたの?」 ひそめた声は、静寂の中に響いた。 その人の睫毛が微かに震えて、そっとため息が落ちる。 吐息が花冷えに震えて白い。 それは、命の証だった。 勇気がわいて、少女は再び問うた。 「ねえ、ここでなにしてるの? ひとり?」 返る言葉はない。 眉がかすかにしかめられる。 気だるい無言の拒絶があった。 それすら、この零れ桜の中では、花に酔ったようだったけれど。 少女はじっと黙って、根気強く答えを待っている。 頭上からは、枝に抱えきれない花びらが降り続けている。 座ったままのその人は、再びため息をついた。 無視するのを諦めたのか、目を閉じたまま、唇を開いた。 「……ひとりだ」 澄んだ声が落ちる。 少年だ、と気づいた。 「誰も一緒に来なかったの? こんな夜更けに?」 ひとり桜の中をさまよっていた自分のことは忘れて、少女は問う。 このことに関して、自分は少し特別なのだと自覚があったから、考えていなかった。 「誰もいない。 誰もいらない。 俺の勝手で、誰も巻き込まない」 夢や幻のような空気に見合わない、堅い声で彼は言った。 その時、ひときわ強い風が、吹き抜けていった。 枝から振り落とされた花びらが、地面から舞い上がった花びらが、二人の上に降り注ぐ。 冴えた夜の風に、少女は自分の腕を抱えて縮こまった。 とっさに、桜の幹の元に逃げ込んだ。 風を避けて少年の隣に座り込む。 触れ合った肩が、衣越しにも冷たかった。 驚いて、少年が顔を上げる。 瞳を開いた。 澄んだ夜の色の、強い瞳だった。 美しい顔立ちの凛々しい眉には、甘さも弱さもなかった。 「寒いね」 間近で目があって、少女は面映ゆく笑う。 少年は戸惑ったようだった。 何も言わずに目をそらした。 逃げていった視線に構わず、少女は少年に語りかける。 「ねえ知ってる? ここの桜は、贈りものなんだって」 言葉は返らない。 少女は頭上の桜を見上げて、白い息を吐きながら続けた。 「昔、ここに桜のきれいなお屋敷があってね、きれいな姫君がいたんだって。 姫君が亡くなった後に、残された人が、思い出にこの山を桜でいっぱいにしたんだって」 そして、桜雲の向こうにそびえる城を見た。 「大好きな人へ、大好きだよっていう思いをいっぱいに込めた花なんだって。 だから、こんなに優しいのかな」 だから、こんなに恋しいのだろうか。 桜の季節になると、昼も夜も、心が落ち着かなくなってしまう。 何も手に着かなくて、窓から見える桜を眺めて、ぼんやり過ごしてしまう。 ずっとここにいて、薄紅の花に包まれていられたらいいのにと思う。 「明日は、城下で 禍 ( まが )つ 祓 ( はら )いがあるの。 この国を守ってくださいって、桜にお願いするの」 桜花の町の中央には立派な舞殿が設えられていて、春桜の咲く頃には必ず禍つ祓いの儀式が行われる。 清め舞を舞うのだ。 町を災いから守るために。 明日は少女も、父と共に舞うことになっていた。 気持ちが昂ぶって、おちつかない。 少年はつられたように、何も言わずに、桜を見上げる。 少女はその白い横顔に、再び問いかける。 「どうしてひとりでここに来たの?」 少年は小さく笑った。 「桜花の桜を見ずして生を語るな」 それは誰が言い出したものか、この地の桜を称える言葉だった。 「ずっと見てみたかった。 ここの桜は、心が洗われるくらい、きれいだって聞いてたから。 どうせ死ぬなら、きれいな場所がいいと思ってた」 何程のことでもないように、澄んだ声は淡々と死を語った。 顔を戻し、何もない空間を強いまなざしで見て言った。 「ここに座って、死ぬのを待ってた。 もう目が覚めないように眠ろうと思った」 驚いて少女は傍らの少年を見る。 肩に触れる少年の冷え切った体は、彼が本当にずっとここにいたことを示していた。 このまま座って眠って朝を待てば、凍えて目覚めることはないかもしれない。 「どうして」 思いもかけなかった少年の言葉に、少女の眼差しが揺れる。 「どうして、死なないといけないの」 「死」という禍つ言葉を恐れて、声が震えた。 それは、終わるということだ。 何もかも終わって、誰にも会えなくなって、桜の夜を楽しむことも出来なくなるということだ。 今日起きたことを話して、笑って、手をつなぐこともできないということだ。 少女の周りには、それを望む者はいなかった。 少年はまた、ため息をつく。 ふいに、少年の向こうの桜の根元の空気が黒く濁った気がした。 木の虚から、骨張った小さな土気色の手が伸びた。 幹を掴む。 少女は思わず息をのんだ。 幼子のような大きさの、細すぎる体が現れる。 焦げ茶色のいびつに大きな頭には、角が生えている。 よちよちとおぼつかない足取りで歩いてくる。 まるで「死」という言葉に、誘われたかのように。 空洞のような目でこちらを見ている。 桜の山の澄んだ空気を澱ませて、怖気をふるうような闇を纏っていた。 この神宮の居城の膝元で、この桜の山で妖が出るなど。 「どうして……」 思わず少女が声を漏らした。 恐怖よりも驚きで体が動かない。 少年は気だるそうに小鬼を見て、眉をしかめる。 「ずっとついてくる。 ここに来ればいないかと思ったのに」 妖は刃や弓をもって滅することはできるが、それだけでしかない。 彼らは人の負の感情に呼応する。 悲しみに、恨みに、怒りに、恐怖に。 それは人が生きていれば、決して消えることのないもの。 だからいつだって、どこにだって現れる。 妖が近寄らないように地を清め、風を祓うことは、皇家の者の務めだった。 だが皇家は滅び、今はその血をひく神宮家と、国の東を治める飛田家が、その役目を担っている。 そしてここは神宮家の膝元、念入りに守られたこの桜の山で、妖が出るなどあり得ないことだった。 それでも妖が出るならば、彼の強い負の心のあらわれだ。 死ぬのを待っていたと言った。 その心が、安らかな訳がなかった。 小鬼がどす黒い瘴気を放ちながら向かってくる。 少年は邪険に手を振り払った。 袖にあおられ空気が揺れる。 その白い指先が、小鬼に触れるか触れないか。 まるで掃き清めたように、澱んだ空気が消えた。 そして幻のように小鬼の姿も消える。 驚き見上げる少女の目を見返して、少年は皮肉に笑った。 「俺はどうやって生きたらいいか分からないんだ」 小鬼を祓った手が拳に握られる。 「俺は、俺なのに。 俺の周りのやつらは、俺のことなんて見ていない。 俺をどう使うかだけを考えてる」 少女には、彼の言うことが分からなかった。 いつもそばで見守ってくれる人たちがいて、少女の思いを慮ってくれた。 なすべき事があった。 どう生きたらいいか分からないという彼の言葉がわからない。 けれど清められたこの地で妖を呼び寄せてしまうほどの、深い苦しみがあるのは確かなことだ。 少年の肩に、髪に、静かに桜が降り続ける。 途端に、死を悼むこの花に包まれた彼が、とても悲しく見えた。 少女は勢いよく立ち上がる。 身をひるがえして、ただじっと前を見つめる少年の前に立った。 「死なないで」 ひたむきな思いをこめて、言葉を紡ぐ。 「わたし、あなたのこと見てるよ」 誰が見ていなくても、自分がこうして見て、語りかけていると。 せっかく会えたのに、と、ひとえに惜しんだ。 いなくならないでほしい、死なないでほしい、と思う。 けれど何を言えばいいのか、どう伝えればいいのか、分からない。 ただ、ひとりきりで座り込んでいた少年に、ためらいもなく少女は言った。 「誰も一緒にいてくれないのなら、わたしといればいい」 少年が誰かなんて分からない。 何も知らない。 彼が何を苦しんでいるのか。 だけど、寂しいのなら一緒にいればいい、と。 この土地の、優しくも悲しい景色に溶け込む彼の、その真っ直ぐな眼差しが、悪いものなわけがない。 少年は応えない。 ただ驚いて、少女を見た。 夜の色の瞳で少女を見て、ただただ見て、幾度か惑うように瞬きをした。 少年の眼差しを受けて、少女は微笑んだ。 まっすぐに手を伸べる。 「この桜の山が、神宮が、あなたを守るよ」 二人のまわりを、花冷えの風が、遊ぶように吹いていく。 髪をなびかせ、降り注ぐ花びらを惑わせて。 清めの歌を。 そしてためらいがちに少年の手が伸ばされる。 そっと少女の手を握った。 少年の冷え切った指先が、心を震わせた。 少年が立ち上がると、彼の上に降り積もっていた桜が、音もなく舞い上がった。 髪に桜の花びらを絡ませたままで、少年は少し恥ずかしそうに笑った。 「ありがとう」 ゆっくりと言った。 噛みしめるように。 「俺、もう少し、生きてみる」 彼はただ微笑んだ。 悲しい笑みでもなく、自嘲の笑みでもなく、穏やかな表情で。 「家に戻ってがんばってみる。 少年の言葉が、本当に意味することは解らなかった。 だけど、にっこり笑って頷く。 何でもいいからがんばって。 「またいつか、会えるかな。 またここで一緒に、桜を見てくれる?」 それは願い。 ただの、願い。 自分もそう願ったから。 また会う約束は、生きることの証だった。 少女は微笑み、頷く。 また会えると、信じていたから。 ここにいれば、会えると。 誰もいてくれないのなら、わたしといればいい。 その言葉は、嘘じゃなかった。 だから、ためらいもなく頷いた。 大きく漏れた吐息と共に、夢はどこかへ消えた。 目を開いた 緋華 ( ひか )は、自分が涙を流しているのに気がついた。 あたりは、障子戸がほの白く漏らす明かりに満ちていた。 朝が訪れようとしている。 天井を見上げながら、手の甲で目元を拭う。 藍色の夜の、花に埋もれた少年の顔を思いだそうとする。 けれど、夢の中でははっきりと見えていたはずなのに、遠く霞んでしまう。 あのとき、少年の名を聞かなかった。 夢のような時はそれを忘れさせた。 それに幼い自分は、簡単に信じていた。 またすぐに会えるのだと。 いつでも尋ねることができると。 またいつか、ここで一緒に。 その約束はまだ果たされていない。

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朝に舞う夢は

カミール王国の下見から2日。 昨日は約束通り、休みにしてもらった。 そして今日、4ヶ国目へ向かう予定だ。 それがサンクレア公国なのかキョクトウ連邦なのかはまだ聞いていない。 現在のところレガス帝国、シミール王国、カミール王国は胡蝶を運営するのには適さない国だとわかった。 残すところはあと2ヶ国。 良い国が見つかるのかという不安は少しあるが、正直あまり心配していない。 何故なら国の訪問順を決めたのはアマネだからだ。 この順番にした理由は聞いてないが、きっと最後の国が本命なのだと思う。 アマネの性格からしてそんな気がする。 そして今日の4ヶ国目は準本命というところだろう。 俺はそんな事を考えながら、1階の待合室へ向かう。 もういい時間なので全員起きてるかと思ったが、ソファーにサクヤが座っているだけだった。 「おはよう。 サクヤだけか?」 「あ、ハルさん、おはようございます。 ええ、皆さんまだですよ。 」 「珍しいな・・・どうしたんだろ。 」 ユイカやマシロ達はともかく、アマネ、コハル、ヨギリが俺より遅いのは珍しい。 というかおかしい。 ・・・あれ? そう言えばいつもあいつらは俺を叩き起こしに来るのに、今日は来ていない。 そのおかげで安眠は出来たが、逆に心配になる。 どうしたんだろう。 「起こしに行った方がいいかな・・・心配になってきた・・・」 「あ、ほっといていいですよ。 そもそも毎朝ハルさんの部屋に突撃して睡眠妨害してる方が頭おかしいんですから。 それより朝ごはん出来てますよ。 」 やたらアマネ達に辛辣なサクヤ。 というか昨日くらいからサクヤが少しおかしい。 アマネ達に対して冷たいというか俺に対して優しいというか・・・ 「今日の朝食はサクヤの担当?」 「はい、頑張って作りました。 とりあえず紅茶をどうぞ。 」 「ありがとう。 」 「いえいえ、これくらい淑女の嗜みです。 あ、今日も朝の尻尾は必要です?」 と言う感じで俺を甘やかしまくってくる。 朝から付きっきりでメイドの如くお世話してくれるし、尻尾も触りたい放題だ。 「当然必要!」 まあ俺としてはサクヤが甘々なのは嬉しい。 文句はない。 「ふふ、ではうるさいのが来る前にブラッシングしてください。 」 「任せとけ。 」 「それで昨日のお休みは、ゆっくり休めましたか?」 「いや、全然。 サクヤも知ってるだろ・・・?」 むしろ国の下見に行ってる方が平和だった。 昨日は朝からコハルに1日中付きまとわれ、鉄拳制裁を受ける事20回。 コハルは晴れやかな笑顔でもの凄く楽しそうだったが、俺からしてみれば休日でもなんでもなかった。 「大丈夫です。 ちゃんと反省させました。 」 「え、どういうこと?」 「ふふ、そのうちわかります。 」 サクヤがくすくす笑う。 先も言ったけど、本当に最近のサクヤは変わった。 昔から面倒見はよかったが、さらに面倒見がよくなったお姉さんという感じだ。 「それで今日はどの国に行くんですか?」 「まだ聞いてないんだよね。 」 「なるほど・・・ちなみに私の予想だとキョクトウ連邦です。 」 何故か急に予想をし始めたサクヤ。 「なんで?」 「な、何となくです!でももし予想通りなら私を連れてってくれません?」 「うん、ああ・・・アマネが良いって言うならいいけど?」 「ふふ、それなら大丈夫です。 実は先日、ハルさんが寝たあとに秘密の女子会をしてまして、私達ばかり留守番は不公平だと言う話になったんです。 それで国巡りに連れて行く子をハルさんが選ぶ事になりました。 」 「え、なにそれ、聞いてない。 」 「はい、だから今言いました。 」 色々と突っ込みどころがありすぎる。 サクヤ達ばかり留守番なのは不公平という話はまあ・・・わかる。 百歩譲ってそれは良いとしても、秘密の女子会ってなんだ。 「えっと・・・秘密の女子会って?」 「ふふ、それは秘密です。 知らない方が幸せな事ってあるんですよ?」 「あ・・・はい・・・えっとそれで俺が決めるの?」 「はい。 アマネ姐さん達が交代制にして素直に引き下がると思います?」 そうだな、間違いなく引き下がらない。 アマネなら「わらわが一番偉いのじゃ!わらわが行くのじゃ!」とか言いそうだ。 「それはそれで嬉しいけどね。 嫌われてないって事だし。 」 「むしろあれはハルさんに少々懐きすぎです。 まあ・・・私を含め、みんなハルさんにはお仕事で色々お世話になってるので、お慕いするのは当然ですけど。 」 実際サクヤの言う通りなのだろう。 胡蝶で唯一の男性なのに、誰も何一つ文句言う事なく、俺をここに住まわせてくれている。 まあサクヤ達にとって俺は庇護欲を掻き立てる弟のような存在で、男として見られてないだけだろう。 それでも受け入れられるのは嬉しいものだ。 この世界にいつの間にか転移していた俺を保護してくれたアマネ。 そして右も左もわからない、知り合いもいない、独りぼっちだった俺に居場所くれたサクヤ達。 俺が彼女達に懐くのは当然だし、彼女達の為に頑張ろうと思うのは必然。 その努力の結果・・・なのかはわからないが、彼女達も俺の事を「家族」だと言ってくれる。 何故、どうやって、俺はこの世界に来たのか。 理由は今でもわからない。 だがアマネやサクヤ達に出会えた事で、俺はこの世界に来てよかったと思える。 いつの日か、召喚?転移?転生?した理由くらいは知りたいが、元居た世界に戻ろうとは思わない。 「・・・だからさ、俺もサクヤやみんなに感謝してるんだよ。 」 「あ、ありがとうございます・・・じゃ、じゃあ!あの!私が娼婦をやめたら・・・ハルさんがこの世界に来た理由、一緒に探しませんか!」 サクヤの頬が少し桜色に染まっている。 「いいね、それ。 お願いするよ。 俺も理由は知りたいからね。 」 「はい!ふふ、また楽しみが1つ増えました!」 嬉しそうに微笑むサクヤ。 「そうだな。 それで話が逸れたけど、俺が一緒に行く人を選べばいいんだな?」 「ええ、みんな弟と出掛けられるのを楽しみにしてるんです。 あ、私もですよ?」 「わかったよ、サクヤ姉さん。 ・・・っと尻尾はこんなとこでいいか。 」 ふさふさのもこもこになったので、今日の尻尾の手入れはこれで十分だろう。 「ハルさんにサクヤさん、朝からラブラブですねー!」 「です・・・!アツアツ・・・です!」 サクヤの尻尾を梳かすのをやめるのを見計らったような絶妙なタイミングで、背後から声を掛けられた。 マシロとユイカだ。 その後ろには他の嬢達もいる。 「みんなおはよう。 」 「おはようです!」 「おはよう・・・ございます・・・です!」 「ア、アツアツってなんですか!?こ、これはただの姉と弟のスキンシップであって・・・決して変な意味ではなくて・・・!!」 「おはよー!」 「おはようございます!」 うん?なんか朝の挨拶に交じっておかしいのがいたな。 「サクヤか。 ・・・ってどうした、サクヤ?おーい、サクヤー?」 俺の声は既に届いていないようで、サクヤは頭を抱えながら何やら1人でぶつぶつ呟いている。 急にどうしたんだろう。 「ハルさん、あれはただの病気です。 気にしない方がいいです。 」 「です。 」 マシロとユイカが生暖かい目でサクヤを見つめている。 「そ、そうか。 」 「それよりサクヤさんと何話してたんですかー?」 「俺がサクヤに色々感謝してる事とかだな。 」 「ほうほう!いいですねー!他には他には?」 「んー、娼婦やめたら一緒に旅行しようとか。 」 「らぶらぶですねー!」 「そうか?家族旅行みたいなもんだろ。 」 「ふふ、そうですね!」 「後は・・・ああ、今日一緒に行く人を俺が選ぶ事になったって聞いた。 行きたいので私を選んでくださいって言ってたぞ。 」 「なるほどなるほど!」 「ハ、ハルさん!何ぺらぺらしゃべってるんですか!!!」 あ、サクヤが復活した。 別に内緒にするような内容じゃないと思ったから聞かれた事を答えただけなんだが、不味かったか? 「なんか駄目だった?」 「だ、駄目じゃないですけど!!!」 「はいはい、サクヤさんは黙っててくださいねー!」 「んーんんっー!?」 マシロが満面の笑みでサクヤの口を手で塞いでいる。 なんかサクヤの扱いがアマネ達に似てきたな。 サクヤの様子がおかしいだけじゃなく、サクヤに対するユイカ達の態度もここ最近微妙に変わってきてる気がする。 「んー・・・サクヤになんかあった?」 「いえいえー、なんもないですよー!気にしたら負けです!」 まあいいか。 何かあったんだとしても、教えてくれなさそうだ。 これは考えるだけ無駄だろう。 「それよりアマネ達、遅くない?心配になってきたんだけど・・・」 現在時刻は朝の8時。 アマネ達はまだ起きてこない。 いつもならこの時間には間違いなくもう待合室にいて騒いでいる。 それなのに今日は誰よりも遅い。 朝5時半に俺の部屋に突撃しに来るあの3人が、8時なっても起きて来ないのは何かがおかしい。 「な、なに!?何が起こった!?」 爆発音は上の方からした。 まさかアマネ達に何かあったのか・・・と俺は慌ててソファーから立ち上がる。 「「「さくやああああああああああ!!!」」」 アマネ達の絶叫にも近い怒号が聞こえた。 ああうん、よかった、元気そうだ。 「とりあえずお前ら落ち着け。 」 叫び声から数秒後、アマネ達がもの凄い勢いで階段を下りてきた。 そしてサクヤに襲い掛かろうとしたので、慌てて止めた。 「ハル!そこどき!その性悪狐、殺さなあかんねん!!!」 「そうよ!ハルさん!今日と言う今日は絶対殺すわ!!!」 いつも以上に過激だな。 一体何があった。 「そやつはな!そやつはな!わらわに酷い事をしたんじゃ!ハル!聞いてくれ!」 アマネが必死にサクヤの非人道的行為を訴えてくる。 「そ、そうなのか?何をされたんだ?」 「その糞狐は!わらわが部屋から出れないよう魔法をかけたのじゃ!!!物理障壁、魔法障壁、転移妨害障壁の結界を3重ずつ張りおった!さらには念には念をいれ、扉を物理的に紐や鉄などで固定する徹底ぶりじゃ!!!おかげで抜け出すのに今までかかったのじゃ!!!」 サクヤ、まじで何してんの。 どれだけ本気で監禁したかったんだよ。 しかしサクヤが本気出すと、アマネ達をある程度無力化できるのか・・・凄いな。 「そうなのか、サクヤ?」 「え、えっと・・・その・・・まあ似たようなことは・・・したかもです?」 サクヤは首を傾げながら、上目遣いで俺を見つめてくる。 うん、可愛い。 「似たようなことちゃうやろ!その通りやろ!なにしらばくれようとしてんねん!ハル!そんなあざとい仕草に騙されたらあかん!誤魔化そうとしてるだけやで!」 え、そうなの。 普通に騙されそうだった。 危ない。 「くっ・・・なら・・・ハ、ハルさん。 聞いてください。 アマネ姐さん達は毎朝ハルさんの睡眠を妨害してますよね?昨日もずっと付きまとって邪魔でしたよね?だから私はハルさんの安眠を守るためにしたのです。 し、信じてください!」 「そ、そうなのか?まあ確かに毎朝鬱陶しかったけど・・・」 「それに今、私の味方をしてくださるなら・・・尻尾を好きなだけもふもふしていいです!特別に耳もつけましょう!」 「サクヤが正しい!アマネ達が悪い!!!」 これは仕方ない。 俺はサクヤの味方だ。 俺の安眠の為、サクヤの行動は仕方なかったのだ。 そう、決して尻尾に屈したわけではない。 「「「ハル!!!正座!!!」」」 その後当然俺とサクヤは正座させられ、がっつり怒られた。 まあいつもより若干短かったが。 多分毎朝俺を叩き起こしてる事に一応の罪悪感はあったのだろう。 ちなみにユイカやマシロ達はずっと俺たちの様子をにやにや眺めていた。 楽しそうにしてないで助けて欲しい。 「うん、今日の朝食は美味いな・・・」 説教もひと段落したので、俺はアマネ達と朝食を食べている。 ちなみに今日の朝食はサクヤが作ってくれたのだが、滅茶苦茶美味い。 他の嬢達のも美味しいが、サクヤが一番料理が上手い気がする。 というよりこれは俺好みの味付けだ。 先日もサクヤがご飯担当だった時、感想を色々と聞かれた。 味が濃かったとか、薄かったとか、好きな料理、嫌いな料理。 もしかして俺の好みに合わせてくれるのだろうか。 「ふふ、ありがとうございます。 」 「くっ・・・こんなとこでハルの好感度を稼ぐとは・・・サクヤめ!」 「アマネも少しは料理したら?」 サクヤ達は当番制で料理しているが、アマネはそこに入っていない。 ヨギリやコハルもだ。 というかこの子達が料理しているところは見た事ない。 「わらわにも苦手な物があるのじゃ!!!」 「そうよ!料理が出来なくても生きていけるわ!」 「無理して料理してもええことあらへんしな!」 うん、それはそんな偉そうに言う事じゃないぞ。 でもよく考えれば、アマネ達は料理だけじゃなく、掃除も出来ない。 彼女達の部屋を掃除してるの俺だしな。 生活力のなさが少し心配になるレベルだ。 「でも美味しい料理を作れると、良いお嫁さんになれると思うんだけどなぁ・・・」 「な、なんじゃと・・・!?」 「だから私はこの年になっても・・・?」 「いやや・・・そんなんいやや・・・!!」 これは言ったら駄目なやつだったか。 ごめん。 「き、気にするな!アマネ達は料理出来なくてもいい女だぞ!」 「ほ、ほんとか!わらわはいい女か!」 「う、うん。 いい女だ。 」 「よかったのじゃ!!!」 復活早いな。 メンタル強すぎだろ。 「それでアマネ、今日はどこの国に行くんだ?」 「今日はキョクトウ連邦じゃ!」 「了解、今日も頑張るか。 」 「うむ!期待しておるぞ!」 「じゃあ誰に同行をお願いするか決めないとな・・・」 そう言った瞬間、アマネ達とサクヤがビクッっと身体を震わせた。 どうやらサクヤの言う通り、この話は女子会とやらでアマネ達に周知済みのようだ。 ちなみにユイカ達は楽しそうににこにこ笑っている。 こちらはこちらで何か不気味だ。 「んー・・・どうするかなー。 」 「ハ、ハルー・・・わらわはいきたいのじゃ・・・」 くっ・・・そんな捨てられた子犬みたいな目で見ないでくれ。 可愛い。 もしかして俺はいつもこんな目をしてるのか?だからアマネ達に可愛い可愛いと言われるのだろうか。 まあ俺がこんな目をしていても可愛いとは微塵も思わないが。 「わ、わかった。 アマネ・・・あとサクヤにする。 」 サクヤは予想が当たったら選んでくれと言ってたしな。 「それと・・・そうだな、マシロはどうだ?」 「え、私です?はい、行けるなら行きます!」 まさか指名されるとは思わなかったのか、マシロが吃驚していた。 「なんでやー・・・なんでうちは選ばんのやー・・・」 「ハルさんは酷いわ・・・鬼よ、悪魔よ、獣人愛好家よ・・・」 そんな泣きそうにならなくても。 あとコハル、最後の1つはおかしいだろ。 俺が変態に聞こえるからやめろ。 「アマネ・・・あ、あと1人いいかな?」 「ん・・・まあハルいれて5人くらいなら問題ないじゃろ。 」 「じゃあヨギリで。 」 「ハル!!!う、うちは信じてたで!!!」 あんなに尻尾を下げて落ち込まれたら、ヨギリも連れていかないと俺の罪悪感が半端ない。 「ちょっと!?なんで私は駄目なのよ!やっぱり獣人愛好家の変態なのね!!」 「その渾名はやめろ!否定は出来んが!」 「じゃあ私を選びなさいよ!!」 アマネ達の中で留守番させる1人を選ぶならコハルだろう。 そう思ったから選ばなかったんだ。 だって昨日20回くらいしばかれたし、一日中付き纏われたんだもん。 「コハルは明日。 明日は絶対選ぶから。 」 「ほんとね?・・・絶対よ?」 渋々ながらもなんとか納得してくれた。 「そういえばうちのポンコツドラゴンは?ヒスイだけ今日まだ見てないんだけど。 」 「あれはこちらから叩き起こさない限り絶対に昼過ぎまで起きてきません。 」 「そうなのね。 っていうかそもそもどこで寝てるの?ヒスイの部屋ないよね?」 「はい、トカゲは物置で十分だと思い、2階の掃除用具入れに押し込んであります。 案外気に入ってるみたいですよ?」 竜族の誇りとやらはどこ行った。 本人が気に入ってるならそれでいいんだろうが、完全に胡蝶のペットになってる気がする。 まあいいや。 とりあえず昼過ぎまでは俺も適当にごろごろするとしよう。

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